[東京 28日 ロイター] - 経済産業省が28日発表した1月鉱工業生産指数速報は前月比0.8%上昇と2カ月連続のプラスとなった。自動車などの増産が主な要因。ロイターの事前予測調査では同0.2%上昇と予想されており、これを上回った。
生産予測指数は2月が前月比5.3%上昇、3月が同6.9%低下。上方バイアスを補正した2月予測は同2.0%上昇となった。このため、生産の基調判断を「前月の弱含んでいる」から「一進一退ながら弱含んでいる」に小幅上方修正した。ただし、調査期間は2月上旬で企業は「新型コロナウイルスの影響を十分織り込んでいない可能性があり、基調判断も今後、再度下方修正する可能性がある」(経産省幹部)。
経産省幹部は指数について「水準は低く、戻りは弱い」「生産上昇に勢いがある感じでない」とコメントし、「消費増税、設備投資減少の影響がある」と説明している。また鉱工業在庫指数が前月比1.5%増加し、2015年基準で過去最高水準を更新しており「注視が必要」(同幹部)な局面という。
1月の生産指数の上昇に最も寄与したのは自動車。昨年の減産からの反動が主因。このほか、航空機部品、印刷業、ゴム製品工業などが寄与した。
一方、半導体・液晶製造装置、ボイラ・原動機、電子応用装置、無線通信機器などは減産となり指数を押し下げた。
*内容を追加しました。
(竹本能文 編集:内田慎一)