[北京 2日 ロイター] - 財新/マークイットが発表した2月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は40.3と、1月の51.1から大幅に低下し、2004年の統計開始以来の低水準となった。新型コロナウイルスによる肺炎の拡大で経済の大部分が停止状態に陥った。
2月のPMIは景況改善・悪化の分岐点となる50を割り込み、ロイターがまとめたアナリスト予想の45.7を大きく下回った。2008─09年の金融危機の最悪期よりも低い水準となり、新型ウイルスが経済に打撃を及ぼしていることが鮮明になった。
国家統計局が2月29日に発表した2月の製造業PMIも35.7に落ち込み、過去最低を記録した。[nL4N2AT019]
CEBMグループのマクロ経済分析部門ディレクター、Zhengsheng Zhong氏は、「2月の中国の製造業部門は新型ウイルスの影響を受け、供給と需要の双方が軟化した。サプライチェーンが停滞し、未処理の受注が膨らんだ」と指摘した。
2月のPMI調査では、生産や新規受注が過去最低水準に落ち込み、雇用も大幅に悪化した。新規輸出受注も記録的なペースで縮小した。
生産指数は28.6と、前月の52から急低下。新規受注も1月の51.9から34.9に落ち込んだ。
経済への打撃を和らげるため、中国当局は中小企業を中心に一連の支援策を打ち出している。中国人民銀行(中央銀行)は2月に指標貸出金利を引き下げ、的を絞った預金準備率の引き下げを通じて市場の流動性を潤沢に保つ考えを示している。
こうした支援策を背景に、2月の調査では企業の楽観度を示す指数は5年ぶり高水準となった。
ただアナリストは、短期的には新型ウイルスの影響で経済成長が打撃を受けるとみている。