[ロンドン 11日 ロイター] - 英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)が11日公表した調査によると、5月の国内住宅価格指数は10年ぶりの低水準となった。ただ、イングランドで不動産取引が再開したことを受け、市場の信頼感が回復しつつある兆候も見られている。
5月の国内住宅価格指数(「上昇」との回答から「下落」との回答を引いた数値)はマイナス32で、4月のマイナス22から低下。2010年以来の低水準を記録した。ロイターがまとめた市場予想はマイナス24だった。
一方、12カ月後の住宅価格見通しは、前月ほど悲観的ではなかった。買い手からの問い合わせに関する指数も、過去最低だった前月のマイナス94から5月にマイナス5に改善した。
RICSは、短期的な販売見通しがおおむね中立水準となり、12カ月見通しが改善したと指摘した。
英不動産ポータルサイトのズープラは10日、5月に不動産取引が再開されて以降、イングランドで住宅販売が回復していると発表した。
RICSのチーフエコノミスト、サイモン・ルービンソーン氏は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けたロックダウン(都市封鎖)前に進行中だった販売案件が現在おおむね成立していると述べた。
その上で「こうした状況の改善が、どの程度持続するかどうかはまだ分からない」と指摘。10月末に政府の雇用維持プログラムが終了した際に失業率が上昇する可能性があることに言及した。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20200611T005610+0000