[オタワ 19日 ロイター] - カナダ統計局が19日発表した4月の小売売上高は前月比26.4%減と、2カ月連続で過去最大の減少率を更新した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が引き続き打撃となった。ただ、5月は改善するとみられる。市場予想は15.1%減だった。
当局は3月中旬から、新型コロナ感染拡大を抑えるために生活に必須な事業以外の大半を停止したほか、外出自粛を求めた。
売上高は27年ぶりに11サブセクター全てで減少。自動車・同部品の落ち込みが最大だった。食品・飲料やガソリンスタンドの売り上げ減少も目立った。
3月の小売売上高は当初発表の10.0%減から9.9%減に改定された。
統計局は、5月の小売売上高が速報ベースで19.1%増えるとの見方を示した。
BMOの首席エコノミスト、ダグ・ポーター氏は「4月の落ち込みからの持ち直しは長い道のりになる」と述べた。
全10州で2桁台の落ち込みとなった。国内で人口が多いオンタリオ州とケベック州の落ち込みが大きく、オンタリオ州は32.8%減、ケベック州は27.8%減だった。
CIBCキャピタル・マーケッツの上級エコノミスト、ロイス・メンデス氏は「小売店は4月に導入された事業閉鎖と物理的距離の確保の対策で大打撃を受けた」とし、「ただ統計は悪いニュースだけではない。消費者の購買動向の変化を受けオンラインで販売する小売業者は恩恵を受けた」と述べた。
オンラインの小売売上高は過去最高額に達し、小売市場の9.5%を占めた。前年同月比でオンライン売り上げは倍以上に拡大した。