By Noreen Burke
Investing.com -- 今週から米企業は決算報告が始まり、良い結果は見込めないが、以前のような水準からは回復していることが期待されている。
しかし、米国の追加景気刺激策は大統領選挙が終わるまで見込めない中、決算の影響は薄れる可能性があるだろう。
米国の経済指標では今週、消費者物価指数、小売売上高、新規失業保険申請件数などが注目だ。
一方で今週は、国際通貨基金(IMF)と世界銀行の会合や、英国とEUの通称交渉の期限が15日に迫っていることなどがある。今週のスタートを切るために知っておきたい5選を、本記事では紹介する。
銀行の決算報告
米国の第2四半期決算は予想を上回るものであったが、第3四半期は悪い結果が見込まれている。
今週はJPモルガン(NYSE:JPM)、シティグループ(NYSE:C)、ゴールドマン・サックス(NYSE:GS)、バンク・オブ・アメリカ(NYSE:BAC)、モルガン・スタンレー(NYSE:MS)などが決算を発表する。
米国企業の今後の見通しについては、ネガティブな見通しよりポジティブな見通しが広がっておりすでに株価に反映されているが、今後の米国株を支えるのに十分かどうかを見極めるかには時期尚早だろう。
追加景気刺激策の遅れ
トランプ米大統領は6日、新型コロナウイルスによる不況に対する追加景気刺激策の協議について、11月の米大統領選後まで停止すると発表した。
一方でトランプ氏は、協議の再開後はより大きな景気刺激策のパッケージを期待していると述べている。トランプ氏は、再選のために選挙前に景気刺激策の合意を望んでいるようであったが、結局停止という形になった。
新型コロナウイルスの影響で職を失った2,220万人のうち約半数が未だ失業中であり、エコノミストは現在から2021年にかけて雇用がさらに減速すると予測しており、特に追加景気刺激策がない限り、雇用の減速は避けられないと予測している。
FOMCメンバー発言、米経済指標
景気刺激策の協議が進展していない中、今週のニューヨーク連銀のジョン・ウィリアムズ総裁、ダラス連銀のロバート・カプラン総裁、ミネアポリス連銀のニール・カシュカリ総裁を含む複数の連邦準備制度理事会(FRB)高官の講演が予定されており、経済の見通しについて一層弱気な見解がされる可能性がある
また、リチャード・クラリダFRB副議長とランダル・クオールズFRB副議長は14-15日のIFF年次会合に参加する予定である。
経済指標では、13日に9月消費者物価指数(CPI) 、15日に新規失業保険申請件数、16日に9月小売売上高(速報値)、9月鉱工業生産、10月ミシガン大消費者信頼感指数などがある。
先週の新規失業保険申請件数は3月以来の低水準だったが、8月に100万件を下回った後は歴史的な高水準で足踏み状態が続いている。
国際通貨基金(IMF)世銀年次会合
IMFと世界銀行はオンラインで年次総会を開催する予定で、新型コロナウイルスによる経済危機にあたりアジアなど途上国の公的債務を救済する方針だ。
期限を2021年末まで延長し、債務負担の軽減は系100億ドルを超える見通しである。
先週、IMFのクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事は「第2と第3四半期の経済情勢は予測よりやや良い状況であり、IMFは経済成長率を小幅に上方修正する予定である。2021年の世界経済は当分の間、不均衡で不確実性が伴う困難な坂道を登り続けていくだろう」と述べている
英EU、合意期限迫る
EUを離脱した英国とEUの自由貿易協定(FTA)締結交渉は、ジョンソン英首相が合意期限に設定した15日が迫っている。
元欧州委員会高官はたとえ合意に達したとしても、膨大な量の文書化の作業が残っていると警告している。別の報告書によると、EUは11月中旬まで交渉が続くよう準備を進めているという。
15-16日の欧州連合(EU)首脳会談では、進捗状況が評価されることになる。一方、ポンドは上昇しているが、たとえ合意が成立したとしても、英国のEUとの新たな関係がマーケットを揺さぶり続ける可能性があるだろう。