[東京 25日 ロイター] - 日銀が25日公表した10月の企業向けサービス価格指数は、消費税を除くベースで前年比0.6%低下となり、8カ月連続でマイナスとなった。新型コロナウイルスが経済活動の抑制を通じてサービス価格全体の重しになっている大きな構図は変わっていない。
10月は、9月の0.5%低下から0.1%ポイント下落率が拡大した。これに最も寄与したのは「諸サービス」。このうち宿泊サービスは北海道や九州などの一部地域で「GoToトラベルキャンペーン」による効果もあって宿泊需要が回復したが、ビジネスホテルを中心に関東における値下がりの影響が大きく出たという。
「運輸・郵便」、「不動産」、「金融・保険」、「情報通信」もマイナス方向に寄与した。「運輸・郵便」では「外航貨物輸送」のところで、昨年10月に大型原油タンカー(VLCC)のスポット用船市況が大幅上昇したのに対し、今月は下落したことから前年比でマイナス幅が拡大した。
一方、「広告」はプラス方向に寄与した。テレビ広告(スポット)などが貢献。新製品発売による出稿増加や酒税法改正に関連したアルコール飲料の出稿もあったという。前年10月は消費増税による出稿控えがあったことも影響している。
日銀の担当者は全体的な評価として、5月をボトムにしてマイナス幅が縮小してきた流れが足踏み状況だと指摘。その上で「全国的にコロナ感染の拡大がみられる中でサービス価格の下落圧力が再び高まっていくのか不透明感が強い」と述べた。
消費税を含む企業向けサービス価格指数は前年比0.6%低下、前月比0.1%上昇だった。
*情報を追加しました。