[15日 ロイター] - 米金融大手シティグループが15日発表した第1・四半期決算は、景気回復と投資銀行業務の拡大で利益が予想を上回った。一方、オーストラリアなど一部の海外事業から撤退することを発表した。
利益は79億4000万ドルで、前年同期の25億4000万ドルの3倍に増加。新型コロナウイルス流行による貸倒引当金を戻し入れたほか、引受収入が増加した。
UBSのアナリスト、ソール・マルティネス氏は、3月1日に就任したジェーン・フレイザー最高経営責任者(CEO)について、「収益性を高める戦略的変革を行う切迫感を的確に伝えている印象だ」と述べた。
フレイザー氏はその一環で、豪州、中国、インドなどアジアや欧州の13市場で、競争力のない消費者向け事業から撤退すると発表。時期は明らかにしていない。
投資銀行部門の利益は、株式引受手数料の増加で46%急増。シティグループは、特別買収目的会社(SPAC)の資金調達で業界を主導している。
超低金利の影響に加え、消費者がデビットカードでの買い物やローン返済を増やしたことも影響し、総収入は前年同期比7%減の193億ドル。業績を示す指標として注目される引当金計上前の利益は18%減少し、クレジットカード部門の収入が18%減となったことが大きな要因になった。純金利収入は前年同期比12%減の101億7000万ドルだった。
市場・証券部門の収入は2%増加した。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20210415T204740+0000