[シドニー 11日 ロイター] - ウエストパック銀行とメルボルン研究所が11日公表した8月のオーストラリア消費者信頼感指数は前月比4.4%低下の104.1と、1年ぶりの低水準を付けた。
3つの主要都市で新型コロナウイルス流行に伴うロックダウン(都市封鎖)が実施された影響が出た。
前年同月比では30.9%上昇。1年前は全土のロックダウンから回復途上にあった。指数は「楽観」が「悲観」を上回っていることを示したが、その差は縮まっている。
ウエストパックのチーフエコノミスト、ビル・エバンズ氏は「信頼感は一段と低下したが、コロナをめぐる状況を踏まえると予想よりは良かったかもしれない」と指摘。
指数は1年ぶりの低水準だが、昨年の全土封鎖時のかなり低い水準は余裕で上回っていると説明した。
「国内のコロナウイルスの状況は明らかに厄介だが、消費者は状況が再び落ち着き、そうなれば経済が力強い成長を再開するという自信がそれなりにあるようだ」と述べた。
調査回答者のうち、コロナワクチンを接種したか接種する予定の人たち(全体の76%)の信頼感指数は、ワクチンを接種するつもりがない、あるいはまだ決断していない人を10.7ポイント上回った。
消費者信頼感指数を構成する指数は軒並み低下。
1年前と比べた家計状況を示す指標は1.9%低下、今後1年間の家計見通しを示す指数も2.7%低下した。
今後1年間の経済見通しを示す指数は8.3%低下。今後5年の経済見通しを示す指数も1.2%低下した。
主要な家財道具を購入する良い機会かどうかの判断に関する指数は7.2%低下した。
住宅購入意欲は8.3%低下。住宅価格上昇の長期化で多くの人にとって住宅は入手が難しい価格帯に達した。それでもなお、消費者の70%超が今後1年間で価格がさらに上昇すると予想した。