[東京 12日 ロイター] - 日銀が12日に発表した7月の企業物価指数(CGPI)速報によると、国内企業物価指数(2015年=100.0)は前年比プラス5.6%だった。世界経済の回復を受けた国際商品市況の上昇が幅広い製品の値上がりを通じて物価を押し上げている。
前年比上昇は5カ月連続。伸び率は2008年9月以来の大きさで、ロイターがまとめた市場予想(プラス5.0%)も上回った。石油・石炭製品が前年比プラス38.8%、非鉄金属が同プラス32.3%となり、押し上げに寄与した。化学製品、鉄鋼、木材・木製品なども上昇した。
日銀の担当者は、ワクチン接種の進展で世界経済の回復が続く中、企業物価にも上昇圧力がかかりやすい状況だと説明。原材料価格の上昇を転嫁する動きが続く可能性があるとした。
744品目中、前年比で上昇したのは382品目、下落したのは264品目。上昇が下落を118品目上回った。
同時に発表された輸入物価指数は、円ベースで前年比プラス27.9%。5カ月連続のプラスだった。
前月比はプラス1.1%と8カ月連続で上昇。伸び率は19年10月以来の大きさとなった。最も押し上げ方向に寄与したのは石油・石炭製品。ガソリン、軽油が6月から7月にかけてのドバイ市況上昇を受けて値上がりした。電力・都市ガス・水道、鉄鋼、化学製品、木材・木製品なども上昇に寄与した。
日銀の担当者は、変異種への置き換わりで新型コロナウイルス感染症の再拡大がみられ、先行きの不透明感は増していると指摘。国際商品市況や国内需給が企業物価に与える影響を把握していくと述べた。
*日銀の発表資料は以下のURLでご覧になれます。
https://www.boj.or.jp/statistics/pi/cgpi_release/index.htm
(杉山健太郎 編集:山川薫)
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