[ロンドン 12日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が12日発表した6月の国内総生産(GDP)は前月比1.0%増と、ロイターがまとめた市場予想の0.8%増を上回った。
サービス業が拡大した。新型コロナウイルスの流行を受けて医療機関を受診する動きが再開したほか、5月中旬に多くの接客業が屋内営業再開を許可されたことが寄与した。
5月のGDPは0.8%増から0.6%増に下方修正されたが、4月のGDPは2.0%増から2.2%増に上方修正された。
4-6月のGDPは前年同期比22.2%増。新型コロナ対策の制限措置が解除されたことや、前年同期に国内の多くの地域で最初の封鎖措置が導入されていたことが背景。
ただ、パンセオン・マクロエコミックのエコノミスト、サミュエル・トゥームズ氏は、英経済が5四半期連続で主要7カ国(G7)中、最も打撃を受けているのは、ほぼ確実だと指摘。
「家計支出の低迷が主因だ。第2・四半期の家計支出は2019年第4・四半期を7.0%下回っている」とする一方、「政府の支出は、コロナ関連の支出により、2019年第4・四半期を8.0%上回った」と述べた。
4-6月のGDPは、前期比では4.8%増だった。
6月のGDPの内訳では、サービス部門が前月比1.5%増。医療サービスの寄与度が最も大きかった。食品・飲料サービスも10%以上増加した。
6月の鉱工業生産は前月比0.7%減。油田の施設メンテナンスが重しとなった。製造業生産は0.2%増加した。建設業は1.3%減。
6月末時点のGDPは、新型コロナ流行前の2020年2月の水準を2.2%下回っている。
イングランド銀行(英中央銀行)は、GDPが2021年第4・四半期に新型コロナ流行前の水準に戻るとの見通しを示している。
国際通貨基金(IMF)は2021年の英国の経済成長率を7%と予測しているが、英中銀は2022年の経済成長率が5.75%、2023年が1.25%に鈍化すると予測している。
ONSが同時に発表した貿易統計によると、5ー6月の英国の欧州連合(EU)向け輸出は、EUを完全離脱した今年初め直前の水準を上回った。