[オタワ 12日 ロイター] - カナダのトルドー首相は下院を解散し、9月20日に総選挙に踏み切る計画だ。新型コロナウイルス対策の財政出動を巡り有権者の信を問う考えで、15日に発表する見通し。事情に詳しい4人の関係者が12日に明らかにした。
トルドー氏率いる与党・自由党は現在、議会で155議席を確保しており、単独過半数には届いていない。そのため、法案の成立では他党との連携に頼っている。
2015年の総選挙(定数338)で自由党は過半数を確保したが、前回19年の選挙で少数与党に転落した。
調査会社のAbacusによると、現在自由党は保守党よりも優勢となっている。同社が8月6─11日に3000人を対象にオンラインで実施した調査によると、自由党の支持率は37%で、保守党の支持率28%を上回った。
自由党は、新型コロナ対策としてこれまで巨額の財政出動を行っており、今後3年間でさらに国内総生産(GDP)の3─4%に相当する1000億カナダドル(800億米ドル)を投じて景気を下支えする計画。野党・保守党は、こうした財政出動について「将来の世代に借金を背負わせることになる」と批判している。
選挙戦では新型コロナ対策が争点となる見通し。アニタ・アナンド調達相は7月末時点で6600万回分以上の新型コロナのワクチンを受け取っており、対象者の接種に十分な量を確保していると説明している。
同相は12日に記者団に「これは、当初の目標よりも2カ月早く達成された。われわれの積極的かつ先を見越した調達によるものだ」と強調した。
一方、テレサ・タム最高公衆衛生責任者は12日、感染者が再度急増していると発表した。