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ユーロ圏総合PMI、10月速報値は6カ月ぶり低水準 コスト上昇

発行済 2021-10-22 18:21
更新済 2021-10-22 19:00

[ロンドン 22日 ロイター] - IHSマークイットが22日発表した10月のユーロ圏の総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は6カ月ぶりの水準に悪化した。供給制約に伴うコスト上昇が製造業の生産を鈍らせたほか、サービス業も新型コロナウイルスに関連した懸念に圧迫された。

製造業とサービス業を合わせた総合PMIは54.3。9月の56.2から低下し6カ月ぶりの低水準となった。

IHSマークイットのチーフビジネスエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は、10月のPMI低下は「ユーロ圏の成長モメンタムが4月以降で最も弱い状態で第4・四半期入りしたことを意味する」とし、新型コロナ流行が引き続き経済や物価に影響を及ぼし、目先のリスクは下向きになっていると述べた。

キャピタル・エコノミクスのジャック・アレン・レイノルズ氏は「10月のPMIは、ユーロ圏の経済成長が第4・四半期に著しく減速し、今後数カ月でインフレがさらに上昇するという当社の見方と一致する」と述べた。

ドイツは製造業の生産が16カ月ぶりの低水準。フランスも製造業の減速をサービス業が補う形となった。

ユーロ圏外の英も、サービス主導で景況が拡大したが、コスト圧力の高まりも顕著だった。

<物価圧力>

サプライチェーンの目詰まりを背景に投入価格指数は70.9から73.1に上昇。1998年半ばの調査開始以降で突出して高い水準となった。

サービスPMIは54.7で9月の56.4から低下し4月以来の低水準。ロイターがまとめたエコノミスト予想の55.5を下回った。

ただ採用は活発。雇用指数は54.1から56.0に上昇し14年超ぶりの高水準となった。

製造業PMIは58.6から58.5に小幅に低下。ただ、生産指数は55.6から53.2に低下し2020年6月以来の低水準となった。

原材料価格は記録的なペースで上昇しているが、製造業はその一部しか転嫁できていない。

産出価格指数は72.3で、9月の70.4から上昇し、データを取り始めた2002年終盤以来の最高となった。

ウィリアムソン氏は「モノやサービスの平均販売価格はここ約20年で例がないペースで上昇している。今後数カ月で消費者物価に反映されるのは不可避とみられる」と述べた。

これはインフレ加速が当面続くことを意味し、インフレは一時的という欧州中央銀行(ECB)の見解に疑問符が付く。

HSBCアセットマネジメントのフサイン・メヒディ氏は「成長鈍化とインフレ圧力の高まりの併存は、会合を来週控えるECB理事会内の溝を一段と深くする可能性がある。12月の理事会が引き続き注目だ」と述べた。

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