[ワシントン 27日 ロイター] - 米商務省が27日公表した9月の財(モノ)の貿易収支(速報値)は赤字額が過去最高の963億ドルとなり、前月より9.2%増えた。モノの輸出が4.7%減った一方、輸入は0.5%増加した。
自動車の輸出が2.0%減少したほか、資本財や工業用品の輸出も大幅に減少。自動車は輸入も7.7%減少した。
モノの貿易赤字が輸出の減少に伴って急増し、第3・四半期の経済成長で再び重しとなった可能性を示唆した。第3・四半期の国内総生産(GDP)速報値は今月28日に発表される。
財貿易赤字の拡大を受け、JPモルガンは第3・四半期のGDP成長率予想を従来の年率3.0%から同2.9%に引き下げ。ゴールドマン・サックスも0.5%ポイント引き下げ2.75%とした。
同時に発表された9月の卸売在庫は1.1%増え、小売在庫は0.2%減。世界的な半導体不足に伴う自動車の減産の影響で、自動車販売店の在庫が2.4%減ったのが響いた。
GDPの算出に用いられる、自動車を除く小売在庫は0.6%増えた。
ロイターのエコノミスト調査では、第3・四半期の経済成長率は年率2.7%増を予想。伸び率は第2・四半期の6.7%から減速する。
在庫は上半期に大幅減。エコノミストは、第3・四半期には在庫減少のペースが弱まり、GDPの予想成長率の大部分に寄与すると見込んでいる。
貿易は1年前からGDP成長の足かせとなっており、在庫は2四半期連続でGDPの押し下げ要因となっている。
ハイ・フリークエンシー・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、ルビーラ・ファルーキ氏は、パンデミックによる混乱やサプライチェーン(供給網)の寸断などが続くだろうが、これらの影響が緩和し、世界経済が回復するにつれ、最終的にはリバランスされると述べた。