[北京 15日 ロイター] - 中国国家統計局が15日公表した10月の石炭生産量は3億5709万トンで、前月の3億3410万トンから増加し、少なくとも2015年3月以来で最高となった。
石炭の価格高騰を抑え、供給を押し上げるため、当局が多くの炭鉱拡張計画を承認したことを受けた。
1─10月の生産量は33億トンで、前年同期比で4%増加した。
国家発展改革委員会(発改委)は先月、7月以降に153カ所以上の炭鉱の拡張計画を承認しており、第4・四半期の石炭生産量は5500万トン押し上げられるとの見通しを示した。
また、電力不足を解消したい中央政府は、地方政府が許可なく炭鉱を閉鎖することを禁止し、閉鎖された炭鉱についても問題があれば対処した上でできるだけ早期に再開するよう促している。
ただ、アナリストらは冬季の国内石炭供給を依然として懸念。悪天候となれば露天掘り鉱山の操業が阻害され、物流も妨げられるためだ。
一方、13日に閉幕した国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)では、石炭に依存する途上国や中国の支持を受けたインドが合意文書を巡り、石炭使用の「段階的廃止」という文言に反発。これを受け、土壇場で「段階的削減」という表現に修正された。
中国の習近平国家主席は今年、自国の石炭使用を2026年から縮小する方針を示した。現状では電力需要の約60%を石炭火力で賄っている。