[北京 17日 ロイター] - 中国生態環境部の研究機関専門家は17日のセミナーで、発電や製鉄、セメント、石炭化学の4部門を含む主要な石炭利用産業の消費は、2024年ごろにピークを迎える可能性があるとの見方を示した。
中国政府は、炭素排出のピークが30年までとし、26年以降は石炭利用を段階的に廃止する公約を掲げている。
これら四つの産業部門の石炭消費は中国全体の86%超に達し、炭素排出量では70%超を占めている。中国は世界最大の石炭消費国であり、最大の温室効果ガス排出国となっている。
この専門家は、4産業部門の石炭消費量のピークは24億8000万トンに達する可能性があると予測。その上で、「製鉄やセメント部門の消費は20年、21年にピークに達したと思われる。石炭化学部門は24年ごろまでとなるだろう」と分析した。
一方で発電部門は、電力需要の高まりやエネルギーの安全性をめぐる懸念から、28年ごろになるまでピークに達しないとの見方を示した。
中国では電力の60%以上が石炭火力発電となっている。今年の石炭不足は、大規模な停電を招いている。