[オタワ 23日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)のポール・ビュードライ副総裁は23日、州規制当局向けのオンライン講演で、国内住宅市場への投資加速を背景に住宅価格の先高観が強まっているとし、今後は市場が調整局面を迎える可能性が高まり得るとの見方を示した。
さらに、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により、住宅市場の不均衡と高水準の家計負債というカナダの主要金融システムの脆弱性が強まったとの認識を示した。
ビュードライ氏は「住宅市場への投資の急激な増加が今年初めに見られたような価格の急上昇につながった可能性が高い。こうした状況では、今後も価格が上昇するという期待が少なくとも当面は続く可能性がある」とし、「それに伴い市場が調整に入る可能性が高まり得る」と指摘した。
また、低金利時には住宅価格の上昇が期待できるが、パニック的な買いなどの兆候が見られると中銀にとり懸念事項になると説明した。
不動産会社のデータによると、国内の住宅価格は2021年初めにかけて急上昇し、3月にピークに達したが、夏の間は下落した。ただ、その後再び上昇し始め、10月には過去最高水準に迫った。