[北京 30日 ロイター] - 中国国家統計局が30日発表した11月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.1と、10月の49.2から上昇した。景況改善・悪化の分岐点となる50を8月以降初めて上回った。
市場予想は49.6だった。
原材料価格の下落や電力制限の緩和を背景に、生産指数が52.0と10月の48.4から上昇した。
新規受注は4カ月連続で減少を示したものの、減少幅は縮小した。
投入価格指数は52.9で、前月の72.1から大幅に低下した。物価圧力が緩和しており、産出価格は2020年5月以来初めて低下した。
国家統計局の幹部は「エネルギーの確保と市場価格の安定に向けた一連の対策が効果を発揮している」とし「11月は計画停電がやや縮小し、一部の原材料価格が大幅に値下がりしたため、製造業PMIの拡大につながった」と述べた。
華寶信託のエコノミストは、製造業PMIが今後数カ月50付近で推移すると予想。電力制限、高水準の原材料価格、消費低迷が影響する見通しという。
アナリストは、北京冬季五輪を控えて北部で新たに製造業の活動が制限される可能性や、新型コロナウイルスの新変異株オミクロンを巡る不透明感も指摘している。
11月の非製造業PMIは52.3と、10月の52.4から小幅に低下した。新型コロナウイルス流行に伴う新たなロックダウン(都市封鎖)措置が打撃となった。
建設業の活動指数は56.9から59.1に上昇。
製造業と非製造業を合わせた総合PMIは52.2で、10月の50.8から上昇した。
中国経済は、製造業セクターの低迷や不動産セクターの債務問題、新型コロナの感染拡大などで回復の勢いが弱まっている。