[ベルリン 6日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が6日発表した10月の鉱工業受注指数は季節調整済みで前月比6.9%低下した。外需が低迷した。
ロイターがまとめた市場予想は0.5%低下。製造業の見通しが一段と悪化した。
9月改定値は1.8%上昇だった。
自動車など、資本財の外需が低迷した。ドイツの自動車産業は、半導体不足など供給制約で打撃を受けている。
航空機など大型受注の影響を除いたベースでは、1.8%低下だった。
国外からの受注は13%以上減少。特に中国など、ユーロ圏外からの受注が低迷した。国内受注は3.4%増。
VPバンクのアナリスト、トマス・ギッツェル氏は「アジアの新たなロックダウン(都市封鎖)でドイツの製造業が鈍化している」とし、世界的な新型コロナウイルスの流行が、再び世界経済の重しになっていると指摘した。
ただ同氏は、新たな連立政権が大規模なグリーン投資を公約に掲げているため、国内受注は良好な状態が続くだろうと予想。「経済の脱炭素化には新技術への大規模な投資が必要だ。ドイツの製造業はその恩恵を受けるだろう」と述べた。
経済省は「受注指数は2021年半ばに過去最高水準に上昇したが、ここ数カ月で16ポイント以上低下している」とし、3カ月で2度目の急低下で経済見通しが一段と悪化したと指摘した。
製造業の低迷で経済成長は鈍化するとみられ、アナリストは第4・四半期は最高でもゼロ成長にとどまるとの見方を示している。