[オタワ 7日 ロイター] - カナダ統計局が7日に発表した10月の貿易収支は、20億9000万カナダドル(16億5000万米ドル)の黒字となった。貿易黒字額は2011年12月(21億2000万カナダドル)以来、10年弱ぶりの大きさ。自動車の取引が増えたことで輸出、輸入ともに記録的な水準に達した。
アナリスト予想の平均は20億カナダドルの黒字だった。
輸出は前月比で6.4%増の561億8000万カナダドル。自動車や部品、エネルギー製品の増加が、全体の伸びの80%近くを占めた。
カナダ統計局は「10月も半導体不足による稼働停止がカナダの組立工場に影響を与えたが、9月ほど規模が著しくなかった」とコメントした。
半導体の供給が改善されたことにより、輸入は5.3%増の540億9000万となった。
カナダ輸出開発公社のチーフエコノミスト、ピーター・ホール氏は「これは誰が見ても大当たりの月だ」と述べ、サプライチェーン(供給網)のボトルネックが緩和されるにつれて自動車分野が引き続きけん引するとコメントした。
ホール氏は、来月発表される11月のデータははるかに厳しいものになるだろうとの見方を示し、西部ブリティッシュコロンビア州での洪水によってバンクーバー市にあるカナダの重要港を発着する輸送が止まったことの悪影響を指摘。「今月が一足早いクリスマスプレゼントだとしたら、来月は(クリスマスを台なしにする)グリンチになるだろう」と指摘した。
カナダ統計局によると、貿易全体の8.7%がブリティッシュコロンビア州を経由し、海上輸出の半分弱が太平洋岸にある同州を経由している。
ただ、エコノミストらによると、10月の結果は第4・四半期に入ったカナダ経済に強い勢いがあることを示している。