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インド中銀、政策金利据え置き 景気支援を継続

発行済 2022-02-10 14:10
更新済 2022-02-10 18:54
© Reuters.  2月10日、インド準備銀行(中央銀行)は、政策金利のレポレートを過去最低の4%に据え置いた。写真はインドのムンバイで2013年10月撮影(2022年 ロイター/Danish Siddi

[ムンバイ 10日 ロイター] - インド準備銀行(中央銀行)は10日、政策金利のレポレートを過去最低の4%に据え置いた。新型コロナウイルス禍からの回復の支援を続ける姿勢を示した。

リバースレポレートも3.35%に据え置いた。市場では20ベーシスポイント(bp)引き上げ、主要政策金利との幅を縮小するとみられていたため、一部では予想外と受け止められた。

金融政策委員会(MPC)は全会一致でレポレートの据え置きを決定。5対1の賛成多数で緩和的な政策スタンスの維持を決めた。

ロイターが2─4日に実施した調査では、レポレートの引き上げ時期でエコノミストの見方が分かれていた。32人中17人は4月にレポレートが4.25%に引き上げられると予想していた。

ダス総裁は「インフレと成長見通し、特にインフレ見通し改善による安心感、オミクロン変異株巡る不透明感と世界への影響などを考慮し、MPCは持続的かつ広範な回復のために政策支援の継続が正当化されるとの見解だった」と説明した。

「内需の柱である個人消費は、新型コロナ流行前の水準を引き続き下回っている。商品価格の持続的な上昇、国際金融市場のボラティリティー急上昇、世界的な供給のボトルネックは、見通しに対するリスクを悪化させる可能性がある」と指摘した。

「海外の要因が逆風になりつつある中で、短期的な成長の勢いは若干失われている。先行きについては国内の成長要因が徐々に改善している」と分析した。

22/23年度の実質成長率は7.8%と今年度の予想である9.2%から鈍化するとの見方を示した。

総裁はリバースレポレートを据え置いた理由を説明する中で、中銀がオフィシャルレートを調整することなしに非常にスムーズかつシームレスな形で市場の実効リバースレポレートを8月末の3.37%から3.87%(2月4日時点)に上昇させることに成功したと指摘した。

実効レートは、固定のリバースレポレートと期間が長めの変動レートを加重平均した値。

12月のインド消費者物価指数(CPI)は、前年比5.59%上昇し、前月の4.91%から伸びが加速、5カ月ぶり高水準となった。12月の卸売物価指数(WPI)上昇率も前年比13.56%と、11月の14.23%から小幅に鈍化したものの、9カ月連続で2桁となった。

ダス氏は石油価格の上昇がインフレ上振れの主要なリスクとなるが、インフレ率は今四半期中にピークを迎え、2022/23年度下期には目標の4%に向けて緩やかに低下すると予想。緩和的な金融政策を維持する余地があるとの認識を示し、政策対応を遅らせている(ビハインド・ザ・カーブ )わけではないと主張した。

しかし、一部アナリストはこれに同意していない。

野村のエコノミスト、オーロディープ・ナンディ氏は「中銀は、金利とスタンスを据え置くという、もはやおなじみのやり方を強化しただけでなく、23年度のインフレ率を4.5%と予想し、非常にハト派的な見通しを示したことでサプライズを与えた」と指摘。「このことは、マクロ的な状況がギアチェンジを正当化するまで、中銀がビハインド・ザ・カーブにとどまる可能性が高いことを示している」と述べた。

中銀は、新型コロナの流行を受けて2020年3月以降、レポレートを計115ベーシスポイント(bp)引き下げている。レポレートは、緩和サイクルが始まった19年序盤の水準を250bp下回っている。

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