[東京 17日 ロイター] - 財務省が17日発表した1月貿易統計速報によると、貿易収支は2兆1911億円の赤字だった。貿易赤字は6カ月連続で、2014年1月に次いで過去2番目に大きな赤字額となった。原油高が影響し輸入額は3カ月連続で過去最大を更新した。ロイターの予測中央値では1兆6070億円の赤字だった。
輸出は6兆3320億円で前年比9.6%増えた。鉄鋼や鉱物性燃料、半導体等電子部品などの輸出が伸びた。対前年同月比で11カ月連続のプラス。
地域別では、対米輸出が前年同月比11.5%増の1兆1169億円で、4カ月連続の増加。半導体等製造装置や建設用・鉱山用機械がプラスに寄与した。アジア向けは同6.3%増で11カ月連続の増加。
中国向けは5.4%減で19カ月ぶりのマイナスだった。プラスチックや原動機などが減少に寄与。
一方、輸入は前年比39.6%増の8兆5231億円となり、1979年1月以降で過去最大。サウジアラビアからの原粗油やオーストラリアからの石炭、液化天然ガスなどの輸入が増加に寄与した。輸入額が対前年同月比でプラスとなるのは12カ月連続。
SMBC日興証券の宮前耕也・シニアエコノミストは、「貿易収支は単月では黒字になる可能性はあるが、原油高やLNG(液化天然ガス)高騰で年前半は赤字傾向が続くだろう」とみる。一方、部品の供給制約の影響が残るため生産を抑える可能性があり、「輸出は回復傾向にあるが、急回復は難しいだろう」との見解を示した。
財務省によると、原粗油の1月輸入状況は金額ベースで前年同月比84.6%増の7442億円だった。円建ての輸入通関単価は1キロリットルあたり5万7573円となり、対前年同月伸び率はプラス76.4%となった。