[ワシントン 3日 ロイター] - 米供給管理協会(ISM)が3日発表した2月の非製造業景気指数(NMI)は56.5に低下し、2021年2月以来、1年ぶりの低水準となった。1月は59.9だった。
ロイターがまとめた2月のエコノミスト予想は61.0だった。
雇用者指数も低下し、21年末の経済成長の鈍化が新型コロナウイルスの冬場の感染再拡大による混乱後も続いていることを示唆した。
オミクロン変異株による新型コロナ感染者数が1月中旬以降に大幅に減少したにもかかわらず、NMIは3カ月連続で低下した。指数は50が景気拡大・縮小の節目となる。サービス業は米経済の3分の2超を占めている。
今回の調査の大部分は、先週のロシアによるウクライナ侵攻前に実施されたと思われる。侵攻によって原油や小麦などの商品価格が上昇した。
オミクロン変異株が全国で猛威を振るった昨年12月、経済は減速した。ロイターによる公式データの分析では、米国の新型コロナ新規感染者数は1日平均6万1742人で、1月中旬の70万人超から大幅に減少している。
2月のISM非製造業新規受注指数は56.1となり、1年ぶりの低水準となった。1月は61.7だった。
雇用指数は48.5で、1年2カ月ぶりの低水準。1月は52.3だった。低下したのは労働者不足が原因の可能性がある。昨年末の求人数は過去最高水準に近い1090万人だった。
2日に発表されたADP全米雇用報告によると、2月の中小企業雇用者数が減少した。サービス業と中小企業の雇用低迷は、2月の非農業部門雇用者数のマイナス要因となる。
ロイターのエコノミスト調査によると、4日に発表される2月の雇用統計で非農業部門雇用者数は前月より40万人増えると予想されている。1月に46万7000人伸びた。
ISM非製造業の受注残指数は64.2となり、1月の57.4から上昇した。今月1日に発表されたISM製造業調査でも同様の変化が見られた。
受注残は堅調な需要を示しているが、サプライチェーン(供給網)の逼迫を浮き彫りにしている。
ISM非製造業の供給業者の納入を示す指数は66.2と、1月の65.7から上昇。同指数が50を上回ると納入に時間がかかっていることを示す。
2月の仕入れ価格を示す指数は83.1となり、1月の82.3から上がった。ウクライナでの紛争はインフレ圧力をさらに高めると予想される。