[東京 28日 ロイター] - TOPIXに採用される3月決算企業の2023年3月期の通期純利益予想は、27日までの発表分(113社、開示率7.8%)で前年比16.9%増となっている。SMBC日興証券が集計した。金融を除くと16.6%増。
このうち製造業が11.7%増、非製造業が33.8%増。業績予想を開示した企業は89社で、このうち27社が3月末時点の市場予想を純利益予想で上回り、60社が下回った。
SMBC日興の安田光株式ストラテジストは「前期の伸びが大きかった。発射台が高く、増益率は低くみえやすい」と指摘している。
22年3月期の純利益は全体で94.1%増と、前年の約2倍になった。金融を除いた純利益は129.9%増。内訳は、製造業が48.5%増で、非製造業は341.8%増だった。
非製造業ではコロナ禍からの回復が進んでいる鉄道を含む陸運業の伸びが目立つ。SMBC日興の安田氏は、まだ開示が少ないため偏りがみられるとし「これから輸送用機器などの発表があれば、製造業の強さが示されるのではないか」とみている。
この試算では、前期が赤字の場合、損失額からの変化分を増益率とみなしていることもあって、前の年にマイナスだった非製造業は大幅な伸びとなった。