[シンガポール 25日 ロイター] - シンガポール貿易産業省が25日発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)改定値は前年同期比3.7%増と、速報値の3.4%増から上方改定された。
ロイター調査のアナリスト予想と一致した。
季節調整済みの前期比は0.7%増だった。
同省は2022年の成長率見通しを3─5%で据え置くと同時に、ロシアとウクライナの紛争に起因する不透明感がある中、予想範囲の下半分にとどまる可能性が高いとの見方を示した。
同省のガブリエル・リム次官は「外部の経済環境は悪化した。中国が国内の新型コロナウイルス流行抑制のため実施した厳しい措置は同国の経済に重しとなり、世界の供給制約につながる可能性が高い」と指摘。
「その結果、供給混乱は当初予想より深刻かつ長期的になる見通しで、2022年を通じて続く可能性がある」とし、「海外の一部の国はわれわれの従来予想以上に生産が抑制され、GDP成長が弱まる可能性がある」との見方を示した。
MUFGのアナリスト、ジェフ・ウン氏は「シンガポールは第1・四半期に順調な前進を見せた。経済を再開し、全業種でアウトパフォームや正常化が見られるようだ」とした。一方「中国がリセッション(景気後退)入りすればシンガポール経済の下振れリスクとなるため、この先はより困難な時期になるだろう」と述べた。
シンガポールはインフレ見通しも維持した。これは、コアインフレ率が第3・四半期に4%前後でピークを打ち、年終盤に低下する可能性があることを示している。
23日に発表された4月の消費者物価指数(CPI)はコア指数が前年同月比3.3%上昇と、10年ぶりの高い伸びとなった。
シンガポール金融通貨庁(MAS)の副マネジングディレクター、エドワード・ロビンソン氏は25日の記者会見で「現在の金融政策スタンスは引き続き適切」との認識を示した。
「過去3回の金融引き締め措置で蓄積された効果により、インフレの勢いが鈍るだろう」と述べた。
Singapore Q1 GDP up 3.7%, matching forecastsUPDATE 1-Singapore sees 2022 GDP at lower end of forecasts amid war, supply chain woes シンガポール4月コアCPI、前年比+3.3% 10年ぶり高い伸び