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貿易赤字5月は過去2番目、原油高や円安で輸入額が最大

発行済 2022-06-16 09:08
更新済 2022-06-16 11:27
© Reuters.  財務省が6月16日発表した5月貿易統計速報は、貿易収支が2兆3847億円の赤字だった。都内の港で2月撮影(2022年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 16日 ロイター] - 財務省が16日発表した5月貿易統計速報によると、貿易収支は2兆3847億円の赤字となった。原油などの資源高や円安の影響で輸入額が過去最高となり、赤字額は2014年1月に次いで過去2番目に高い水準となった。

ロイターの予測中央値は2兆0226億円の赤字だった。貿易赤字額は予測を上回り、10か月連続となった。

輸入は前年比48.9%増の9兆6367億円と比較可能な1979年以降で過去最大。アラブ首長国連邦(UAE)からの原粗油やオーストラリアからの石炭、液化天然ガスなどの輸入が増え、16カ月連続の増加。

一方、輸出は7兆2521億円で前年比15.8%増加。鉄鋼や鉱物性燃料、半導体等電子部品などの輸出が増加した。15カ月連続のプラス。

地域別では、米国からの輸入は前年同月比24.2%増加し、15カ月連続のプラス。液化石油ガスや原動機などがプラスに寄与した。中国からの輸入は通信機や衣類などが寄与し25.8%増加したが、同国向けの輸出は0.2%減少した。自動車や科学光学機器などがマイナスだった。新型コロナウイルス感染対策に伴うロックダウン(都市封鎖)の影響が響いた。

第一生命経済研究所の副主任エコノミスト、大柴千智氏は、原油高を背景として、「当面は貿易赤字の拡大は続く」とみている。また、「中国の行動制限は段階的に緩和されているが、供給不足の混乱はすぐに解消するのは難しい。全体の輸出の勢いも欠ける」と話す。ウクライナ情勢や高インフレの影響で欧州への輸出も伸びにくいとの見通しを示した。

伊藤忠総研のチーフエコノミスト、武田淳氏は「多少の円安効果があったとしても、輸出の大きな拡大は期待できない」と語る。

ウクライナへの軍事侵攻で西側諸国が制裁を科している対ロシア輸出は、前年同月比57.1%減少した。自動車や自動車部品などが減少した。一方、輸入は原油や液化天然ガス、石炭などの数量が減少したものの、価格の上昇で金額は同49.8%増加した。

財務省によると、原粗油の5月輸入状況は金額ベースで前年同月比147.2%増の1兆0668億円だった。円建ての輸入通関単価は1キロリットルあたり8万7568円と、対前年同月伸び率はプラス95.1%。

*財務省の発表資料は以下のURLをクリックしてご覧ください。http://www.customs.go.jp/toukei/latest/index.htm ※過去の関連記事は[JPTBL2=ECI]をクリックしてご覧下さい。 ※経済モニターアプリは reuters://screen/verb=Open/URL=cpurl:/%2Fapps.cp./Apps/economic-monitor をクリックしてご覧ください。

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