[東京 8日 ロイター] - 内閣府が8日発表した7月の景気ウオッチャー調査で、景気の現状判断DIは43.8と、前月比9.1ポイント低下した。新型コロナウイルス感染症の拡大や原材料・食料品価格の値上がりなどが景況感を下押ししたとみられる。今年1月(19.6ポイント低下)以来の下げ幅で、景気判断の表現を「持ち直しに足踏みがみられる」に下方修正した。
現状判断DIの低下は2カ月連続。景気判断の引き下げは家計動向関連DIが10.8ポイント、企業動向関連DIが3.7ポイント、雇用動向関連DIが8.9ポイントそれぞれ低下した。
調査先からは「新型コロナの新規感染者数が増加するにつれてキャンセルも増え、宴会も減少している(九州=高級レストラン)といった声や、「円安を背景とした物価上昇もあり、客が外食やレジャーにかける費用を節約する傾向にある」(中国=都市型ホテル)との指摘が出ていた。
先行き判断DIは2カ月連続の低下で、前月から4.8ポイント下がって42.8だった。内閣府は先行きについて「持ち直しへの期待がある一方、価格上昇の影響等に対する懸念がみられる」とした。
調査先からは「9月以降、感染が一定レベルに落ち着いてくれば、来客数や売上も好転していく(北関東=百貨店)との見方があった。一方、「住宅関係で建築資材費、飲食関係で食材料費や電気料金など、各業界で予想を超えたコストの上昇を販売価格に転嫁できず、先行きの不透明感が増している」(中国=職業安定所)との声も聞かれた。
調査期間は7月25日から31日。オミクロン株のBA.5系統を中心とする感染が急速に拡大していた時期で、政府が29日に「BA.5対策強化宣言」の仕組みを導入すると発表していた。
*内閣府の発表資料は以下のURLでご覧になれます。
https://www5.cao.go.jp/keizai3/watcher_index.html
(杉山健太郎)