[東京 17日 ロイター] - 財務省が17日発表した7月貿易統計速報は、貿易収支が1兆4368億円の赤字だった。引き続き資源価格の高止まりと円安の影響で輸入額が増加し、貿易赤字は12カ月連続となった。7月としては、比較可能な1979年以降で最大の赤字幅。部材供給不足が緩和したことなどで、輸出も押し上げられた。輸出額、輸入額ともに前月に続き過去最大を更新した。
ロイターの予測中央値は1兆4050億円の赤字だった。
輸入は前年同月比47.2%増の10兆1896億円となった。アラブ首長国連邦(UAE)からの原粗油やオーストラリアからの石炭、液化天然ガスなどが押し上げ、18カ月連続で増加した。
輸出は19.0%増の8兆7528億円。米国向けの自動車や半導体等製造装置、フィリピン向けの鉱物性燃料などが増加し、17カ月連続のプラスだった。
信金中央金庫の角田匠・上席主任研究員は、今後も貿易赤字の傾向が続くと見込んでいる。「原油価格はピークアウトしている可能性があるが、LNG(液化天然ガス)は10月から11月くらいまで上昇が続くとみられる。鉱物性燃料全体でみると、年内は価格の高水準が続くだろう」との見解だ。
また「米中はじめとする世界景気の減速が輸出の下押し要因になる可能性がある」と指摘。ただ、供給制約の緩和を背景とし自動車の輸出は伸びるという。
地域別では、米国からの輸入は46.9%増加し、17カ月連続のプラス。液化天然ガスや石炭などがけん引した。また、中国からの輸入は電算機類や衣類、通信機などが寄与し34.6%増加した。対米、中国の輸出額、輸入額は過去最高を記録した。
ロシアからの輸入は31.0%増加となった。LNGや石炭などの鉱物性燃料の数量は減少したが、価格が上昇したことが輸入金額の押し上げに寄与した。輸出は、自動車や自動車部品などが落ち込み49.5%減少した。
財務省によると、原粗油の7月輸入状況は金額ベースで1兆1437億円だった。円建ての輸入通関単価は1キロリットルあたり9万9667円となり、対前年同月の伸び率は99.7%。
また、同省の資料によると、為替レート(対ドル)は平均値で136.05円となり、前年同月比23.1%の円安となった。
*財務省の発表資料は以下のURLをクリックしてご覧ください。
http://www.customs.go.jp/toukei/latest/index.htm
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