[ロンドン 23日 ロイター] - S&Pグローバルが23日発表した8月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は、49.2と2カ月連続で好不況の分かれ目となる50を下回り、2021年2月以来の低水準となった。
生計費の上昇で家計は支出削減を迫られる一方、製造業は供給不足が打撃となった。
7月の49.9から低下したが、ロイターがまとめた市場予想(49.0)はわずかに上回った。
S&Pグローバルの経済ディレクター、アンドリュー・ハーカー氏PMIについて「第3・四半期のユーロ圏経済が縮小していることを示している」と述べた。
需要は2カ月連続で減少した。新規事業指数は47.7で7月の47.6をわずかに上回った。
サービスPMIは50.2と前月の51.2から低下した。市場予想の50.5も下回った。
サービス業の値上げ幅は縮小した。生産価格指数は59.9と62.1から低下したが、長期平均を大きく上回っている。
ハーカー氏は新型コロナウイルス規制解除後のサービス業の回復が鈍化する一方、製造業は低迷が続いていると指摘した。
製造業はPMIは49.7と7月の49.8から低下し、20年6月以来の低水準となった。市場予想は49.0だった。総合PMIに反映される生産指数は46.5、前月は46.3。
完成品在庫指数は53.3と52.5から上昇し、1997年半ばの統計開始以降で最も高い水準だった。需要が減少する中で企業が販売に苦労していることが浮き彫りになった。