[ロンドン 23日 ロイター] - S&Pグローバル/CIPSが23日発表した英国の8月の総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は50.9となり、前月の52.1から低下、2021年2月以来の低水準となった。
好不況の分かれ目となる50に迫った。ロイターがまとめた市場予想は51.1だった。
製造業の生産が減少したほか、サービス業も小幅な拡大にとどまった。景気後退が近づいている可能性が改めて示された。
サービス業PMIは前月からほぼ変わらず。製造業PMIは46.0と、前月の52.1から低下し、20年5月以来の低水準だった。
S&Pグローバルのエコノミスト、アナベル・フィデス氏は「経済見通しの悪化と人員・原材料不足を背景に顧客需要が低迷し、メーカーが大きな打撃を受けたとの報告があった」と指摘した。
金属など一部の原材料の値下がりを背景にインフレ圧力緩和の兆候を示した。
製造業の投入コスト上昇率は20年11月以来の低水準。サービス業のコストは依然タイトな労働市場を背景に小幅に上昇した。全体では消費者向け価格の上昇率は7カ月ぶりの低水準だった。
S&Pグローバルは「市場の激しい競争と新規受注の獲得努力により、全体的に価格決定力は限定的との指摘が多かった」としている。