[東京 13日 ロイター] - ドル/円 JPY= ユーロ/ドル EUR= ユーロ/円 EURJPY= 午後3時現在 120.39/41 1.0590/94 127.50/54 正午現在 120.33/35 1.0595/99 127.50/54 午前9時現在 120.19/21 1.0605/09 127.47/51 NY午後5時 120.26/32 1.0606/11 127.48/52
午後3時のドル/円は、前週末ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、わずかにドル 高/円安の120円前半だった。朝方からじり高基調で、中国の弱い貿易収支を受けてド ル買い圧力が強まったが、欧州勢の参加に伴ってユーロがいったん買い戻されると、ドル は120円半ばから前半へと反落した。
ドル/円は120.20円台を中心にもみあっていたが、小高く始まった日経平均株 価がマイナス圏に沈む中、いったん120.09円まで下押された。ただ、「下がったと ころでは買いたい人もいる」(邦銀)とされ、同水準で下げ渋ると仲値に向けてじりじり 値を戻した。 仲値後は動意に乏しい展開となったが、午前11時に発表された中国の貿易収支が弱 い内容になると、中国経済と関連の深いオーストラリアの豪ドルが対米ドルで急落。ドル 買い圧力が強まり、ドル/円も強含む展開となった。 午後に入ってドルは一時120.50円付近まで上昇。本邦勢は「完全に様子見」( 外銀)とされるなか、下値では海外勢による小規模のドル買いが散見されたという。
<中国貿易収支その他>
中国税関当局が発表した3月貿易収支によると、輸出はドル建てで前年比15.0% 減となり、予想の12.0%増を大幅に下回った。一方、輸入は同12.7%減で、予想 の11.7%減に比べて減少幅が大きかった。
朝方は2月機械受注の発表や、黒田東彦日銀総裁の支店長会議でのあいさつもあった が、市場の反応は限定的だった。黒田総裁は「景気は緩やかな回復基調を続けている。先 行きについても、緩やかな回復基調を続けていく」との見方を示した。消費者物価の前年 比は、消費税の影響を除き前年比ゼロ%程度となっており、「先行きも当面ゼロ%程度で 推移する」との従来の見解を繰り返した。
日銀は地域経済報告で、全9地域のうち6地域の景気判断を据え置き、北陸、東海、 近畿地域を引き上げた。同報告は、内・外需の緩やかな増加などから生産が持ち直してい るなか、雇用・所得環境が着実な改善を続けているとの認識を示した。
他方、サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁は、米経済は現段階で依然とし て緩和的な政策が必要との見解を示したうえで、早期の段階的な利上げと遅めの積極的な 利上げを比較検討する必要があるとした。
日銀地域経済報告およびサンフランシスコ地区連銀総裁発言は、為替相場に目立った 影響を及ぼさなかった。
<円ショート積極化は4月以降との見方も>
米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したIMM通貨先物の非商業(投機)部門 の取組(7日までの週)によると、円の売り越しは2万4449枚で、前週の2万392 4枚から増加した。市場では「円ショートは減ったまま。もう少し明確な円売り材料が出 てこないと、それも戻ってこない。ただ、戻りだせば押し上げる力はありそうだ」(国内 金融機関)との声が出ていた。
一方、日本の統一地方選(前半戦)について市場では、野党と対決した2つの知事選 をともに防衛した与党の「勝利」との評価になっているという。野村証券のチーフ為替ス トラテジスト、池田雄之輔氏は「アベノミクスへの信認」との解釈は、ドル/円、日本株 にとってはプラスだろうと指摘。 その上で「海外ヘッジファンドには『26日の後半戦が終わるまで、政権は円安を加 速させたくないはず』との見方も根強い。彼らが円ショートを再び積極化させる時期とし ては4月末以降が有力だろう」とみている。
<ロイター調査「ECBのQEは実施前から経済に好影響」>
ロイターが実施したエコノミスト調査によると、欧州中央銀行(ECB)が国債買い 入れ型の量的緩和(QE)は、実際に開始する前から経済に好影響を及ぼしていたと主張 していることについて、「ほぼ正しい」と答えた割合が約4分の3に達した。 ECBの3月理事会議事要旨では、直近の政策決定がもたらす著しいプラス効果が既 に確認できるとの「評価をおおむね共有した」ことが分かった。 今回調査では、77人のエコノミスト中57人がそうした見方に同意。ECBは悲観 的過ぎるとしたのが2人、楽観的過ぎるとしたのは18人だった。 ECBは1月に国債を中心とする毎月600億ユーロの債券買い入れ計画を発表し、 3月上旬から開始。買い入れのめどを2016年9月までとしている。
(為替マーケットチーム)