[東京 8日 ロイター] - 財務省が8日発表した国際収支状況速報によると、7月の経常収支は2290億円の黒字となった。経常黒字は2カ月ぶりだが、7月としては統計が遡れる1985年以降で最小となった。ロイターが民間調査機関に行った事前調査の予測中央値7135億円程度の黒字も下回った。
前年同月からは黒字幅を1兆4862億円縮小した。季節調整済みの収支額は6290億円の赤字で、2014年3月以来の赤字となった。
市場では「貿易赤字拡大が続いたことに加え、所得収支の上振れがなく、季調値の経常収支が赤字になった形。大きなサプライズではなく大方予想通りの結果だった」(第一生命経済研究所経済調査部の大柴千智・副主任エコノミスト)との指摘が出ている。
全体の黒字幅が縮減したのは貿易収支が赤字に転じたことが主因で、経常収支のうち、貿易・サービス収支は2兆0029億円の赤字だった。
貿易収支は1兆2122億円の赤字だった。輸出が8兆5838億円と前年同月比18.5%増加したのに対し、輸入は9兆7959億円と同47.6%増えた。
同省によると、第1次所得収支は2兆4332億円の黒字、第2次所得収支は2013億円の赤字だった。
*財務省の発表資料は以下のURLでご覧になれます。
http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/balance_of_payments/release_date.htm