[パリ 9日 ロイター] - 経済協力開発機構(OECD)は、最低賃金を引き上げ、団体交渉への支持を獲得することが、インフレスパイラル(連鎖)による賃金の目減りを抑えるのに役立つとの見解を示した。
1970年代のインフレ危機以来、ほとんどの国で賃金の物価スライド制が使われなくなり、一部の国では団体交渉も一般的ではないため、企業側が一方的に賃金や労働条件を決めやすくなっている。また、企業が合併して大型化するにつれ、労働市場の集中化が進み、転職により高い賃金を求める機会が狭まった。
OECDは年次雇用見通しで「生活水準を守るには、労働者が公正な場で効果的に賃金を交渉できるよう、企業と労働者の交渉力のバランスを調整する必要がある」とした。
デンマーク、ドイツ、イタリア、スペイン、スウェーデンのオンラインプラットフォーム系企業が最近、労働者と結んだ労働協約は「興味深い」もので、他の場所でも追随が可能とした。
一時的なエネルギー支援は短期的な痛みを和らげるのに役立つが、現在のインフレ危機は法定最低賃金を定期的に引き上げることを正当化するとした。