[東京 15日 ロイター] - 財務省が15日発表した8月貿易統計速報は、貿易収支が2兆8173億円の赤字だった。資源価格の高騰や円安が輸入コストを押し上げ、貿易赤字は比較可能な1979年以降で最大となった。専門家は貿易赤字はしばらく続くと予想している。
ロイターの予測中央値は2兆3982億円の赤字だった。
輸入は前年同月比49.9%増の10兆8792億円で、原粗油や石炭、液化天然ガスなどが増加し過去最大となった。19カ月連続の増加。
輸出は同22.1%増の8兆0619億円だった。自動車や鉱物性燃料、半導体等製造装置などが押し上げ、18カ月連続で増加した。
SMBC日興証の宮前耕也・シニアエコノミストは「短期的に見ると、米ドルでの取引割合が多い輸入の方が円安の影響を受けやすく、金額が膨らみやすい。 資源高もあり、しばらく貿易赤字は続くだろう」との見解を示した。
地域別では、米国からの輸入は40.5%増の1兆0678億円。医薬品や有機化合物、原粗油などが増加し過去最大となった。アジアからの輸入は半導体等電子部品や衣類などがけん引し42.1%増の4兆7993億円で、こちらも過去最大だった。
財務省によると、原粗油の8月輸入状況は1兆3117億円で前年同月比90.3%増加した。円建ての輸入通関単価は1キロリットルあたり9万5608円となり、87.5%増。
為替レートは平均値で135.08円で、前年同月比22.9%の円安となった。
*財務省の発表資料は以下のURLをクリックしてご覧ください。
http://www.customs.go.jp/toukei/latest/index.htm
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