[東京 20日 ロイター] - 総務省が20日に発表した8月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は102.5と、前年同月比2.8%上昇した。前月の2.4%上昇を上回って2014年10月以来の伸び率となった。携帯電話通信料の値下げの影響が一部はく落して指数を押し上げた。生鮮食品を除く食料も伸びが続いた。
日銀が目標とする2%を上回るのは5カ月連続となった。消費増税の影響を除けば1991年9月以来の伸び率。ロイターがまとめた民間予測は同2.7%上昇だった。
携帯電話の通信料は14.4%下落。前月の21.7%下落から下落率が大きく縮小した。総務省によると、コアCPIへの寄与度はマイナス0.24ポイントで10月にはく落する見通し。
生鮮食品を除く食料は4.1%上昇と前月の3.7%上昇を上回り、2014年10月以来の上昇率。からあげが9.4%、外食のハンバーガーが11.2%、食パンが15.0%それぞれ上昇した。
エネルギー価格は16.9%上昇で前月の16.2%上昇から伸び率が拡大した。ガソリンが6.9%上昇となり、政府の補助金の影響で上昇率が一段と縮小する一方、電気代は21.5%上昇、都市ガス代は26.4%上昇に伸び率を拡大した。都市ガス代は1981年3月以来の伸び。電気代は3―5月の原油高を反映し、大手10社中3社が値上げした。
コアCPIの対象522品目のうち、上昇が372品目、下落が110品目、変わらずが40品目。上昇品目数は前月の376品目を下回った。上昇品目が前月から減るのは9カ月ぶりだが、総務省の担当者は「引き続き幅広い品目で上昇が続いている」と話している。
携帯通信料の値下げの影響はく落は、その他の指数も押し上げた。8月の総合指数は前年同月比3.0%上昇し、2014年9月以来の伸び率。消費増税の影響を除けば1991年11月以来の高い伸びとなった。より基調的な動きを示す生鮮食品およびエネルギーを除く総合指数は1.6%上昇し、2015年3月以来の伸び。消費増税の影響を除けば1993年3月以来の伸び率となった。マイナス圏推移が続いていたサービス価格は0.2%上昇。2019年12月以来のプラス圏浮上となった。
(和田崇彦)