[シンガポール 20日 ロイター] - 中国税関総署が20日公表した8月のロシアからの石炭輸入は854万トンと、前月の742万トンから増加し、少なくとも5年ぶりの高水準となった。電力会社が猛暑による需要急増に対応するため、海外からの購入を増やした。
前年同月比では57%増加した。
ロシア産石炭はウクライナ侵攻を受けて欧州が購入を停止しており、価格が割安となっている。
中国西部と南部が7月下旬から深刻な干ばつと熱波に見舞われる中、石炭火力発電所は急増する冷房需要や水力発電所からの供給不足分を満たすために生産を拡大。
発電効率を高めるため、ロシア産など品質のより高い一般炭の購入も増やした。
最大の供給国であるインドネシアからの輸入は1582万トンで、7月から35%増加した。ただ前年同月の1730万トンは下回った。
電力会社は11月半ばに北部で暖房シーズンが始まるのを前に10月に在庫を積み増すため輸入を拡大する見通しだが、人民元の下落が続けば、輸入物価が押し上げられ需要減退につながる可能性もある。
*写真キャプションを手直ししました。