[シドニー 20日 ロイター] - 豪連邦統計局が20日発表した9月の雇用統計は、就業者数が前月比900人増と、増加幅は市場予想の2万5000人を大幅に下回った。労働市場の逼迫状態が和らいでいる可能性が示され、オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)の利上げ減速を後押しする内容となった。
就業者数の伸びは前月の3万6300人も下回った。就業時間は横ばいとなり、経済活動の部分的な停滞を示唆した。
キャピタル・エコノミクスのシニアエコノミスト、マーセル・ティーリアント氏は「就業者の伸び鈍化はRBAの(利上げ幅縮小)決定を正当化しているが、追加利上げを阻むことにはならないだろう」と分析。同社集計の求人指標に基づくと、失業率は当面、現在の非常に低い水準にとどまる見通しだからだとした。
RBAは今月、従来より小幅な25ベーシスポイント(bp)の利上げを決定した。
失業率は前月から変わらずの3.5%となり、約48年ぶり低水準にとどまった。労働参加率は66.6%だった。
公式統計によると失業者1人につき1件の求人があり、新型コロナウイルス禍前の失業者3人につき1件の求人よりも好調な状態が継続している。このため、市場はRBAが11月に再び25bpの利上げを行うと見込んでいる。