[ワシントン 26日 ロイター] - 米商務省が26日発表した9月の財(モノ)の貿易赤字は前月比5.7%増の922億ドルだった。輸出の減少と輸入の増加を背景に赤字額が膨らんだ。ただ、2022年第3・四半期の国内総生産(GDP)で貿易収支が改善要因になるとの予想は変わらない見込み。
PNCフィナンシャルのシニアエコノミスト、アビー・オムダンビ氏は「貿易は当面、成長への大きな追い風になる」と述べた。
財の輸出は28億ドル減の1776億ドル。食料品が14.0%減、原油を含む工業用品が3.1%減となった。消費財も減少したが、資本財、自動車などは増加。ドルは今年、主要貿易相手国の通貨に対し、約11%上昇した。
財の輸入は22億ドル増の2698億ドルだった。資本財が4.4%増加したほか、自動車や消費財も増加。一方、食料品、工業用品などが減少した。
政府が27日に公表する第3・四半期の国内総生産(GDP)速報値に関し、ロイターがまとめたエコノミスト予想によると年率換算で前期比2.4%増。第2・四半期GDPは0.6%減っていた。
22年上半期は経済が悪化した。ただ、250万件超の雇用が創出されており、景気後退には至っていない可能性が高い。
JPモルガン(ニューヨーク)のエコノミスト、ダニエル・シルバー氏は「純輸出は第3・四半期のGDP成長率に大きく貢献し、約3.0%ポイント上乗せされるだろう」と指摘、「第3・四半期の貿易赤字は大幅に縮小したように見えるが、ドル高が長期的に赤字を拡大させる」とした。