[ニューヨーク 26日 ロイター] - 米金融大手JPモルガン・チェースの合併・買収(M&A)部門グローバル共同責任者、アヌ・アイエンガー氏は26日、ニューヨークで開かれた会議で、買収を検討している企業はM&A活動が停滞している今こそ、状況が改善した際に買収を実行する準備を整えるため、標的となる可能性のある企業との間で積極的に関係を構築すべきとの見方を示した。
アイエンガー氏によると、M&A活動は企業の評価額や金利、インフレ、景気後退観測、消費需要、規制といった要因を巡る不確実性に直面し、停滞している。しかしそうした現在の局面は「売り手が身売りを決めたときにいつでも最初に連絡してもらえるように、先を見越して関係構築を始めるために接触する」理想的なタイミングだと述べた。
また買収を検討している企業はM&A活動の減速を利用して、標的となる可能性のある企業を詳しく調べるべきだと主張した。
ここ数年はハイテク企業のM&Aが多かったが、今後はヘルスケア部門の案件が全体に占める比率が上昇すると予想。ヘルスケア部門のM&Aは歴史的に景気悪化局面で増える傾向にあるという。
手元資金を潤沢に保有している大企業やプライベートエクイティ(PE)企業は、買収額を大方、手元資金で支払えるため、「現在は良好な環境にある」と語った。