[東京 22日 ロイター] - 日銀が22日に発表した10月の物価の基調を示す指標によると、ウエートを加味した品目ごとの上昇率分布の真ん中に当たる「加重中央値」がプラス1.1%となり、前月のプラス0.5%を大幅に上回った。データを遡ることができる2001年以降で最高の伸び率。10月には食料品を中心に一斉値上げが実施され、物価上昇率分布の「山」が大きくプラス方向に動いた。
品目ごとの上昇率分布で上下10%を機械的に除いた「刈込平均値」は前年同月比プラス2.7%となり、2カ月連続の2%台。品目別分布で最も頻度の多い上昇率である「最頻値」はプラス1.3%で、こちらも最高を更新した。
一連の指標は日銀が総務省発表の消費者物価指数をもとに算出し、毎月発表している。日銀は物価の基調を正確に把握するため、生鮮食品を除く消費者物価指数(コアCPI)だけでなくさまざまなコア指標を総合的に見ている。10月のコアCPIは前年同月比プラス3.6%で1982年2月以来の伸び率となり、日銀が目標とする2%を7カ月連続で上回った。
(和田崇彦)