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ロシア工業生産、予想ほど落ち込まず 軍服・兵器製造が押し上げ

発行済 2022-11-29 02:32
更新済 2022-11-29 02:36

[28日 ロイター] - ロシア連邦統計局(ロスタット)が発表した10月の工業生産は前年比2.6%減となった。予想の3.8%ほど減少しなかったほか、前月の3.1%減から改善。ウクライナでの軍事作戦に新たに動員された部隊の装備を整えるなど、政府が軍事支出を増加させていることが製造業活動を押し上げているとみられる。

ロシア経済は欧米の制裁措置、外国投資の流出、流通網の混乱などの影響で、今年は10%のマイナス成長に陥る可能性があるとの見方が出ていたが、これまでのところ予想ほどの影響は出ておらず、ロシア経済省は現在、今年のマイナス成長幅は2.9%にとどまるとの見方を示している。

ロッコ・インベストの投資責任者、ドミトリー・ポレボイ氏は「動員と軍事費増加の影響は工業生産に明確に反映されており、他の民間部門の落ち込みが相殺されている」と述べた。

統計局の発表によると、衣料品の生産は10月に前年比11.9%増加し、増加率は9月の5.6%、8月の2.9%から加速したほか、軍服を含む「作業着」の生産は前年同月と比べ2.2倍に増加した。

政府はプーチン大統領が9月に発令した部分動員令に基づき約30万人の予備役を招集。金融サービスFinamのマクロ経済分析責任者、オルガ・ベレンカヤ氏は「軍に招集された人たちの軍服の生産」が背景にある可能性があるとの見方を示した。

軍事費の詳細は明らかにされていないが、ポレボイ氏は統計局の発表によると10月は兵器と弾薬の生産が顕著に増加したと指摘。セントロクレディ銀行のエコノミスト、エフゲニー・スボーロフ氏は、民間部門の生産の落ち込みが軍事費の増加で補われている可能性があるとし、「製造業生産は現在は主に軍事生産に支えられている」と述べた。

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