[北京/香港 15日 ロイター] - ディールメーカーや投資家は、中国におけるベンチャーキャピタル投資について、新型コロナウイルス規制の緩和やそれに伴う国内景気や株式市場の回復を背景に来年は増加すると見込んでいる。
中国投資の助言を行うCECキャピタルのエグゼクティブ・ディレクター、マギー・チー氏は「市場の信頼回復は徐々に進む」と述べ、累積需要により来年下期に投資が上向くとの見方を示した。
業界コンサルタント会社Preqinによると、2022年1─11月の中国におけるベンチャーキャピタル投資額は前年比42%減の735億ドルで、19年以来の低水準だった。
データ会社CBインサイトによると、1月から10月初旬までのユニコーン企業(企業価値が10億ドル以上の有力新興企業)の数は10社未満にとどまっている。21年は44社だった。
中国は11月にコロナ規制の緩和に着手しており、来年の景気回復への期待が高まっている。
法律事務所クーリーのパートナー兼アジア資本市場責任者である ウィル・チャイ氏は、中国株式市場でここ数週間見られた上昇が継続すれば、ベンチャーキャピタルの活動も活発化すると指摘する。
中国の主要株価指数CSI300指数は、年初から約20%下落している。
<国際的緊張>
一部のディールメーカーと投資家は、米中間の緊張というマイナス要因が来年も予想されると指摘する。
米国が特定半導体への中国のアクセスを一段と制限したため、22年に投資意欲は弱まった。また、米規制当局は米国上場の中国企業が米国の規則に準拠しているかどうかについて、まだ判断していない。
中国が国外の先端技術への依存からの脱却を進める中、ベンチャー資金は来年、最先端半導体や新素材などのコアとなる技術分野の新興企業に価値を見出す、とディールメーカーと投資家は指摘する。
HIKEキャピタルの創設パートナーであるAnna Xu氏は、中国のカーボンニュートラルの推進により後押しされている新エネルギー分野も有望な投資先だとし、新エネルギー車の販売増加がサプライチェーン(供給網)上にある企業の需要を押し上げたと説明した。