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コニシ Research Memo(2):国内トップクラスの接着剤・シーリング材メーカー

発行済 2022-12-27 15:02
更新済 2022-12-27 15:15
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■事業概要

1. 主要な事業セグメント
コニシ (TYO:4956)の事業セグメントは、2021年3月期までは「ボンド」「化成品」「土木建設」「その他」の4セグメントとしていた。
2022年3月期から、それまで「土木建設」に含まれていたボンド事業の一部の製品(主に土木建設用接着剤やシーリング材等)を再び「ボンド」セグメントに移管し、残った工事会社4社を「工事事業」セグメントとした。
この結果、2023年3月期第2四半期の売上高比率は、ボンド57.1%、化成品29.2%、工事事業13.6%、その他0.2%となった。


(1) ボンド
ボンドでは、主に一般家庭用、住宅・建材用、産業資材用の各種接着剤、シーリング材及びワックス・両面テープ等の製造販売を国内外で行っている。
また、子会社のサンライズ(株)では、主に戸建て用の建築用シーリング材や自動車用シール材・接着剤を製造・販売している。
ウォールボンド工業(株)は、壁紙用接着剤の製造販売を行っている。


(2) 化成品
化成品では石油化学製品、合成樹脂、工業用薬品全般、電子機能性材料の仕入販売を行っており、主たる業務は商社的な事業である。
同社の根源とも言える事業であるが利益率は低いため、新しい中期経営計画では抜本的な改革を打ち出すとしている。


(3) 工事事業
同社で製造される土木建設用接着剤やシーリング材が「ボンド」へ移管されたため、この事業の内容は子会社のボンドエンジニアリング(株)、コニシ工営(株)、近畿鉄筋コンクリート(株)、角丸建設(株)で手掛ける工事請負事業である。
主に官公庁、鉄道会社、道路公団等から発注された道路、鉄道、トンネル、橋梁などの補修・補強工事を請負うもの。
同社の場合は接着剤メーカーとしてのノウハウや経験を生かした独自の工法を活用し、工事事業子会社が補修・補強工事を専門で行っているのが特色である。


(4) その他
その他事業は不動産賃貸業を展開している。
以前は売上高・利益ともに微少であったが、本社ビルを取得し、その一部の賃貸を開始したことから、利益において一定程度の比重となった。


2. 市場シェアと競合企業
主力製品である合成接着剤においては生産量ベースでの市場シェアは10%強の水準と推計され、ここ数年はわずかながら上昇トレンドにある。
また、金額ベースのシェアは12~13%(建設用シーリング材を除く)と推計され、国内では数量・金額ともトップシェアとなっている。


主な競合企業は、一般家庭用ではセメダイン(株)、住関連用では主にアイカ工業 (TYO:4206)、(株)オーシカなどがある。
建設シーリング材ではシーカ・ハマタイト(株)、サンスター技研(株)などと競合する。
建設・土木用では、接着剤ではショーボンドマテリアル(株)との競合となるが、実際の工事現場では子会社のボンドエンジニアリングがショーボンド建設(株)と競合する格好となっている。
また、工場生産用では昭和電工 (TYO:4004)、ヘンケルジャパン(株)やオーシカ等が競合大手である。
また、エレクトロニクス製品の生産用ではセメダインや(株)スリーボンドと競合するが、両面テープまで広げると日東電工 (TYO:6988)やスリーエムジャパン(株)が競合企業として挙げられる。


3. 特色、強み
(1) ブランド力
同社の最大の強みは「ボンド」の持つ圧倒的なブランド力である。
一般家庭向けの「ボンド木工用」から建築用、産業用の「ボンド」まで、老若男女を問わず誰もが「ボンド」の名を知っている。


(2) 製品ラインナップ
製品ラインナップが豊富なことも同社の特色である。
アイテム数は「ボンド」のブランドが付く商品だけで5,000種以上あり、業界での品揃えは国内で群を抜いている。
また、幅広い製品ラインナップは企業の収益基盤としての強みでもある。


(3) 接着剤専業としての強み
多くの競合企業(セメダインを除く)は接着剤の専門メーカーではなく、化学品メーカーが多い。
言い換えれば、競合企業にとって接着剤は本業ではなく1つの事業でしかない。
これに比べて同社は接着剤専業メーカーであるため、顧客からの信頼は厚い。
これも同社の特色であり、強みと言える。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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