[エルサレム 3日 ロイター] - イスラエル極右政党「ユダヤの力」党首でネタニヤフ新政権の国家治安相に就任したベングビール氏が3日、エルサレムにあるイスラム教とユダヤ教双方の聖地「神殿の丘」を訪問し、パレスチナ自治政府が猛反発するなど波紋を広げている。
ベングビール氏はツイッターに「神殿の丘は全ての人に開かれている」と投稿。ユダヤの力はかねてから、ヨルダン政府傘下のイスラム組織が管理し、ユダヤ教徒に訪問だけを認めている神殿の丘について、礼拝を認めるよう主張してきた。
昨年、ヨルダン川西岸地区などで幾つかの問題を巡ってイスラエル軍とパレスチナ側が暴力的な衝突を繰り返してきただけに、ベングビール氏の訪問で両者の緊張が一層高まることが懸念されている。
パレスチナ公式メディアWAFAが発表した声明によると、自治政府のアッバス議長は国連安全保障理事会に非難決議を求める意向だ。
国連のグテレス事務総長は神殿の丘やその周辺で緊張をエスカレートさせかねない動きを慎むよう求めている、と国連の副報道官は明らかにした。
米国家安全保障会議の広報担当者も、エルサレムの聖地の現状維持を損なうような一方的な行動は認められないと述べた。
一方イスラエル首相府高官の1人は、ネタニヤフ首相は神殿の丘でイスラム教徒のみに礼拝を認めている現状の取り組みを全面的に守る意思があると強調し、事態鎮静化に努めている。