[ニューヨーク 17日 ロイター] - 米ニューヨーク連銀は17日に公表した報告書で、銀行による窓口貸出制度の利用が増えていることについて、トラブルの前兆ではなく中小銀行の流動性管理に関連している可能性が高いとの分析を明らかにした。
米連邦準備理事会(FRB)の窓口貸出は資金繰りに窮した銀行のためのセーフティーネットで、同制度の利用は問題の兆候とみられてきたが、FRBは近年そうした見方の払拭に努めている。
2022年初めの時点で窓口貸出の利用はごく小規模だったが、11月下旬には約100億ドルに達した。ニューヨーク連銀によると、新型コロナウイルスが大流行する前の19年のピークは7000万ドルだった。
連銀の報告書は借り入れ増加について、FRBのバランスシート縮小により中小銀行の流動性が圧迫されているほか、窓口貸出の金利を引き下げて市中金利に近づけ、貸出期間を長期化したことが影響している可能性が高いと指摘。トラブルの兆候とは考えにくいとの見方を示した。
その上で「最近の借り入れのパターンが今後も続くのか、歴史的な傾向に戻るのか興味深い」とした。
中小銀行は通常、連邦住宅貸付銀行(FHLB)などから短期資金を借り入れており、これは依然として有力な資金調達手段だが、貸出金利をフェデラルファンド(FF)レートと同水準に変更したことで窓口貸出の魅力が高まったと分析した。