[ワシントン 19日 ロイター] - 米労働省が19日に発表した14日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は1万5000件減少し19万件となった。市場予想は21万4000件だった。
金利上昇にもかかわらず労働市場が依然として逼迫していることを示唆した。
申請件数の予想外の減少は、年明けの季節変動を考慮したデータ調整の難しさを反映している。ハイテク業界や金融、住宅など金利の影響を受けやすいセクターで解雇が相次いだにもかかわらず、申請件数は低水準を維持している。
ハイフリークエンシー・エコノミクス(ニューヨーク州ホワイトプレーンズ)の米国チーフエコノミスト、ルベーラ・ファルーキ氏は「労働需要が依然として強く、労働市況がタイトであることを示している。労働者不足と雇用の問題に直面している企業は従業員数の削減に消極的なようだ」と述べた。
調整前の申請件数は5万3582件減少し、28万5575件となった。カリフォルニア州の申請件数が急増したが、ジョージア州、ミシガン州、ニュージャージー州、ウィスコンシン州、ニューヨーク州、テキサス州での大幅減が相殺した。
米マイクロソフト は18日、景気後退の可能性に備え、第3・四半期(1━3月)末までに1万人を削減すると発表した。
ただエコノミストは、ハイテク企業の解雇は労働市場の悪化を示唆しているのではなく、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)中に過剰となった雇用の規模を縮小しているのだと指摘している。
コーネル大学のジョン・ブレヴィンス客員教授は「ハイテク部門は2020─21年の状態に戻りつつあるのであり、悪い状況だとは思わない。解雇された労働者はすぐに新しい仕事を得ることができるだろう」と述べた。
専門家は、ハイテク業界以外の企業は、パンデミック時に労働力確保が困難だったことから、一般的に解雇には消極的になっていると指摘。レイオフに踏み切る前に採用を減らすと予想している。
1月7日までの1週間の継続受給件数は前週比1万7000件増の164万7000件となった。