[ロンドン 20日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が20日発表した12月の小売売上高は、数量ベースで前月比1.0%減と、市場予想に反して減少した。
インフレで消費を切り詰める動きが広がった。クリスマス商戦で消費が盛り上がるとの期待が打ち砕かれた格好となった。
ロイターがまとめた市場予想は0.5%増だった。
ONSは「12月は小売売上高が再び減少した。フィードバックによると、消費者は割高感を理由にクリスマスの出費を抑えたようだ」と指摘した。
11月は早めにクリスマスに備える動きが食品販売を押し上げる要因となったが、12月は再び落ち込んだ。スーパーマーケットは、食品価格と生活費の上昇が理由と分析している。
12月の小売売上高は前年比では5.8%減と、1997年の統計開始以降で12月としては最大の減少を記録。
金額ベースの小売売上高は前月比1.2%減だった。
キャピタル・エコノミクスのオリビア・クロス氏は、年末にかけて見られていた経済の底堅さが12月に一部消失したと指摘。「高インフレと金利上昇による経済活動の重しの多くは、まだ感じられておらず、今年の個人消費と経済全体に重くのしかかってくるだろう」と述べた。
英国は景気後退入りが広く予想されている。
昨年の小売売上高は数量ベースで3.0%減と、少なくとも97年以降で最大の落ち込みを記録した。
非食品販売店の販売数量は前月比2.1%減。消費者が生活必需品以外への支出を切り詰めた。食品販売は0.3%減。11月は1.0%増だった。
ONSによると、12月のオンライン販売は減少。郵便局員のストライキで実店舗での購入が増えたとみられている。