[サンフランシスコ/ニューヨーク 5日 ロイター] - 8日に始まる週の米国株式市場では、投資家の慎重姿勢が続く見通し。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ開始時期をめぐり、バリュエーションへの懸念が増している。 約2週間前に最高値を更新して以来、米株式市場は方向感に欠けた展開が続く。予想を上回る経済指標が相次いで発表されたが、投資家心理の改善にはつながらず、一方でFRBの利上げ時期への関心が再び高まっている。 現時点では個人投資家が積極的に売り買いを進める要因は見当たらない。米個人投資家協会(AAII)の最新の調査では、向こう6カ月の市場見通しに「ニュートラル」との見方を示した投資家は48%だった。28年前の調査開始以来、最長となる9週連続で45%を上回り、先行きの不透明感が広がっていることを示唆した。 「強気」との見方は27%。30%を下回ったのは5週連続で、2003年以来最長。「ネガティブ」との見方は25%だった。
一方、証拠金債務(マージンデット)の増加が懸念されており、ニューヨーク証券取引所の統計によると、4月中旬に5070億ドルと過去最高水準に達した。 BNYメロン・ウエルスマネジメント(ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、レオ・グロホウスキー氏は、証拠金債務の増加と共にボラティリティは上昇するが、市場関係者はボラティリティの高まりに備えてはいないようだと述べた。
5月の米雇用統計で、非農業部門の雇用者数は28万人増と昨年12月以来の高い伸びとなり、市場予想を大幅に上回った。これにより9月に利上げが実施されるとの観測がさらに強まった。