[シドニー 7日 ロイター] - オーストラリアのアルバニージー首相は7日、貿易・外国投資パートナーの多様化を目指す考えを表明し、民主的価値を共有するインドへの財界代表団を率いると述べた。
シドニーで開催されたAFRビジネスサミットで演説し「経済の耐性や安全性の向上につながる貿易パートナーの多様化、貿易品目の多様化」をオーストラリアは望んでいると述べた。
同国にとって最大の貿易相手国は中国だが、外交問題を巡りオーストラリアからの多くの輸出品目に「貿易障壁」を課している。両国は関係悪化により停止していた対話を再開しつつあり、豪州は中国側に障壁を取り除くよう要請している。
アルバニージー氏は8日、輸送、資源、金融、高等教育、建築、エネルギーといった分野の財界幹部らと共に第6位の貿易相手国であるインドを訪問する。
マッコーリーグループやコモンウェルス銀行といった金融大手のトップやフォーテスキュー・メタルズ・グループやBHPを含む資源大手の創業者や幹部が含まれる。
アルバニージー氏は演説で、オーストラリアはインドに重要な鉱物を供給すると同時に国内でも電池などの電気自動車(EV)用部品やその他のグリーンエネルギー製品を製造するとした。
「日本や韓国といった主要な貿易相手国に対して、信頼できるエネルギー供給国としての地位を維持することも可能だ」と述べた。
豪州は中国にとって鉄鉱石の最大の供給元だが、重要鉱物資源の輸出先の多様化を目指している。政府は先月、中国の投資ファンドによる国内レアアース企業への投資拡大を安全保障の観点から阻止した。
アルバニージー氏は対中関係について問われ、「以前よりも安定的」だと指摘。政府は価値観や政治制度の違いを認識し、関係の正常化を目指していると述べた。