[ブラジリア 29日 ロイター] - 中国のブラジル向け直接投資は昨年、前年比78%減の13億ドルと、2009年以来13年ぶりの低水準になった。ブラジル・中国ビジネス委員会(CEBC)が29日発表した。資源プロジェクトへの投資が大きく減ったことが響いた。
CEBCによると、昨年は中国が投資すると発表したブラジル国内のプロジェクト(47億ドル相当)のうち、実行されたのは28%にとどまった。対照的に2021年には、発表された59億ドル相当の投資は全て実行された。このうち2件の石油プロジェクトで約50億ドルを占めた。
CEBCの調査責任者、トゥーリオ・カリエーロ氏は昨年の中国からの投資急減について、好調だった2021年との比較や、ライセンスが認可されなかったことが影響したと説明した。
例えば中国の鉱業会社、洪橋集団が発表した21億ドル相当の投資は、環境面の認可が保留となったため、プロジェクトが進められなかった。
ジェトゥーリオ・バルガス財団サンパウロ・ビジネススクールのエコノミスト、Hsia Hua Sheng氏は、中国の対ブラジル投資に影響した他の要因として、ロシアのウクライナ侵攻に加え、アジア太平洋における米中の対立を背景に中国が巨大経済圏構想「一帯一路」への投資を優先したことを挙げた。一帯一路の構想にブラジルは含まれていない。