
Takahiko Wada Kentaro Sugiyama
[東京 2日 ロイター] - 日銀が2日発表した9月短観は、大企業の製造業、非製造業とも業況判断指数(DI)が改善した。新型コロナウイルス感染症の影響後退で、非製造業はプラス27と1991年11月以来の高水準となった。企業収益は好調に推移し、物価見通しも2%台を維持。市場では、企業の予想インフレ率は弱まっていないとの声が出ている。
大企業・製造業の業況判断DIは、ロイターがまとめた予測中央値(プラス6)を上回った。2期連続の改善で、2022年6月以来の高水準。海外経済減速の影響を指摘する声が聞かれたものの、価格転嫁の進展や原材料コスト高の一服、自動車生産の回復などを受けて幅広い業種で改善した。
業種別では「自動車」がプラス15と、5期連続改善。19年3月(プラス15)以来の高水準となった。
先行き判断DIはプラス10と、小幅な改善を見込む。自動車生産の回復や、半導体・IT関連需要の底打ちが期待されている。
<飲食・宿泊サービスの業況判断DI、過去最高>
大企業・非製造業の業況判断DIも、ロイターがまとめた予測中央値(プラス24)を上回った。6期連続の改善。感染症の影響緩和が寄与するかたちで幅広い業種で改善した。
業種別では「宿泊・飲食サービス」が2期連続改善しプラス44。過去最高の水準となった。
先行き判断DIはプラス21と、悪化を見込む。原材料・エネルギーコスト高の持続が懸念されているという。
事業計画の前提となる想定為替レート(全規模・全産業)は23年度通期で1ドル=135.75円と、前回6月の132.43円から3円程度円安方向に修正された。日銀の担当者は、円安単独では業況判断への影響が聞かれなかったと述べた。
大企業・全産業の23年度の設備投資計画は上方修正され、前年度比13.6%増と市場の予測中央値に一致した。過去平均を上回る推移が続いている。
<企業のインフレ期待、「弱まっていない」>
大企業の販売価格判断DI、仕入価格判断DIは製造業・非製造業でそろって前回より低下した。全規模・全産業の販売価格や物価の見通しは1年後が前回を下回った。
しかし、大和証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは「企業のインフレ期待は弱まっていない」と話している。企業の物価見通しのうち、岩下氏は「3年後の数値がメルクマール(指標)」になると指摘。3年後の物価見通しは前年比プラス2.2%で前回と変わらなかった。
さらに短観の回収基準日である9月12日以降、原油高と円安が進んでいるため「企業の価格転嫁に関する考え方は変わりうる」とし、「企業にとっての物価見通しの上振れ要素は続いている」と述べた。
企業の23年度の経常利益計画は大企業・製造業の素材業種や中小企業・製造業以外で上方修正され、植田和男日銀総裁が9月の決定会合後の記者会見で言及した企業収益の好調さを裏付ける結果となった。物価目標の実現に向け、好調な企業収益を背景に持続的な賃上げが実現するかが目先最大の焦点になる。
(和田崇彦、杉山健太郎)
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